パリのメトロ(地下鉄)について
パリはメトロ(地下鉄)、RER(高速鉄道)、バス、トラムの各交通手段が発達しているので、個人でパリを観光するのに移動に困ることはありません。その中でも最も利用するのが、パリ市内を網の目にように運行するメトロ。全部で14の路線があり、1から14号線の数字がつけられています。メトロを使えば、パリ市内のほとんどの観光地に簡単に行くことができ、またパリ北駅などの国際鉄道の発着駅にも乗り入れています。朝5時台から深夜0時台まで運行しており、メトロの駅からのRER駅やバスへの乗り換えも簡単です。

老朽化が進むパリのメトロは、駅ごとに閉鎖して長期間の改装工事を進めている場合があります。車内や駅の路線図を見て、駅名の上にシールが貼られているたら、その駅は工事のために停車しないか、または乗り換えが出来ない線があることを示します。

パリの駅にあるRERやMのサインたち。このページでは、『M』=メトロ(地下鉄)について解説しています。
乗車券の種類と買い方
パリ市内の乗車券は、メトロ・RER(高速鉄道)・バス・トラム共通の1回券や回数券のほか、美術館の無料割引がつくパスや、国鉄の近郊線まで含めた1日乗り放題など様々なタイプがあります。
主なパリの乗車券の種類を下記にまとめました。
名前 | 説明 | 料金 |
Billet(ビエ)*別名Ticket+(ティケプリュス) | 1回券。90分以内であれば、メトロ・RER間の乗り継ぎ、もしくはバス・RER間での乗り継ぎが可能。 | 1.9ユーロ |
Carnet(カルネ)*別名Ticket+(ティケプリュス) | 上の1回券が10枚綴りとなった回数券。有効期限はないため、複数日での利用や、グループで利用するときに便利。 | 14.5ユーロ |
Mobilis(モビリス) | メトロや国鉄の近郊線などの交通機関が乗り放題になる1日乗車券。料金はゾーン(利用エリア)によって異なる。26際以下で土日利用ならば下記のディケ・ジュンヌのほうがお得 | ゾーン1~2の場合、7.3ユーロ |
パリ・ヴィジット(Paris Visite) | 観光客向けの乗車券+観光バスのパス。主要交通機関がすべて乗り放題になる。料金は利用日数によって異なる。 | 1日利用の場合、11.65ユーロ |
パスリブ(Passlib) | 指定期間中、メトロや国鉄の近郊線などの交通機関が乗り放題になる他、オープントップ観光バスやセーヌ川ディナークルーズも付いた観光向けフリーパス。パリの主要美術館の入場無料パスとも合わせて販売されている(詳細はこちら)。 | ゾーン1~3の場合、4ユーロ |
ナヴィゴ・デグヴェルトゥ (Navigo Decouvetre) | 1週間以上の滞在者向け磁気カード。1週間用と1花月用があり、日本のSuicaと同じように使う。作成には別途5ユーロと写真が必要。 | 1週間の場合、22ユーロ |
ディケ・ジュンヌ・ウィークエンド(Ticket Jeunes Weekend) | 26歳以下で土日祝日に利用できる特別な1日乗車券。一般の1日乗車券より安い。料金はゾーン(利用エリア)によって異なる | ゾーン1~3の場合、4ユーロ |
2~3日のパリ観光。どのチケットを買えばいいの?
基本的には、使いたい分だけTicket+(ティケプリュス)の1回券や回数券を購入するのがおすすめです。特に回数券(10枚綴り)はシェアできるので、2日間以上滞在する場合や、複数人で一緒に旅行するときは効果的に使えます。利用期限がないため、使い切れなくても次回のパリ旅行まで取っておくことも可能です。
観光名所を多く見る予定で、1日5回以上地下鉄に乗る場合や、回数券の残りを気にせず自由に動きたい方には、1日乗車券(パリ市内7.3ユーロ)の購入がおすすめです。1日乗車券があれば、ちょっとした移動でも気軽に利用することができます。
Ticket+(ティケプリュス)の乗り換えに注意
最初に改札に入場してから90分以内であれば、メトロとRER間、バスとトラム間の乗り換えが自由なTicket+ですが、メトロとRERは一度改札の外に出てしまうと無効となってしまいます。そのため、乗り換えは必ず改札内で行ってください。乗り換える駅のホームに降りたら、「CORRESPONDANCE(乗り換え)」と書かれた案内に沿って進みます。
メトロの乗り方
メトロの乗り方は、日本の電車や地下鉄と似ていますが、最後に乗車券の回収が無いところなど、一部異なるところがあります。メトロの乗り方を下記で説明します。
改札から入場
チケットを改札機に通して入場します。改札機には、日本と同じようにチケットを入れるとゲートが開く自動改札タイプや、チケットを入れた後で自分でレバーを押して進む手動タイプがあります。どちらの場合でも、チケットは出てくるため回収します。チケットはこの後は使いませんが、念のために目的地に着くまでは必ず保管してください。
自分が乗る列車のホームを探す
自分の乗る号線(1~14の番号)と最終駅の書かれたホームに進みます。日本のように駅に路線図や全停車駅の案内があるところは少ないため、自分の行きたい方向の最終駅はあらかじめ事前にチェックしておいてください。下記は、ルーブル美術館から凱旋門にメトロ1号線で向かう時の例です。
列車に乗る・降りる
扉のドアは手動で開けるものが主流です。扉に付いているレバーを下から上にあげるタイプと、緑のボタンを押して開けるタイプがあります。車内アナウンスは有名なターミナル駅以外は非常に少ないため、今どのあたりを通過しているのかを停車駅などで常に確認する必要があります。
目的の駅に着いたら、上記と同じ方法でドアを開けて降ります。運転中はドアはロックされており、停車する直前でロックが解除される仕組みです。
外に出る・他の路線に乗り換える
外に出る場合は、「Sortie(出口)」のサインに沿って進みます。出るときは改札が無いことが多く、切符の回収もありません。
乗り換えるときは、ホームに降りた後で「Correspondance(乗換)」のサインに沿って進みます。日本の駅と同様、乗りたい路線番号を探し、目的地までの方向の終点駅名が書かれたホームで次の電車を待ちます。